夕暮れの町外れにある小さな配信部屋。
そこには、見る人の心をぱっと明るくする絵チャ配信者、元気なみかんがいた。
みかんは、オレンジ色の髪を揺らしながら、今日も画面の向こうのみんなに笑顔を届けている。
配信が始まると、静かだった部屋はにぎやかなアトリエに変わり、リスナーたちは自由に線を描き、色を重ね、言葉を交わしていく。
けれど、みかんにはひとつ悩みがあった。
どんなに明るくふるまっていても、本当は誰よりも「うまく描けない日」がこわかったのだ。
楽しい場所を守りたい気持ちが強いほど、自分の弱さを見せられずにいた。
そんなある日、絵チャに現れたのは、まったく絵を描けないというひとりの新しい参加者。
自信なさそうに引かれた一本の線を見て、みかんは忘れていた気持ちを思い出す。
絵は上手さを競うものではなく、誰かと同じ時間を笑い合うためのものだということを。
失敗しても笑う。
変な絵でもほめ合う。
泣きそうな夜でも、ひとつの落書きが誰かを救う。
そうしてみかんは、配信を通して少しずつ自分自身も元気づけられていく。
これは、ひとりの明るい配信者が、絵とおしゃべりで人の心をつなぎながら、みんなと一緒に本当の笑顔を見つけていく物語。